社外取締役メッセージ

NISSHAの社外取締役4人から、当社の経営課題について、以下のメッセージをいただきました。

新しい社名と企業理念のもと、グループのシナジーを高め、
経営課題である事業ポートフォリオ構成と
バランス経営での目標達成に期待しています。

第5次中期経営計画(2016年3月期~2017年12月期)の評価と
第6次中期経営計画(2018年12月期~2020年12月期)における課題

NISSHA社外取締役 久保田 民雄

社外取締役 久保田 民雄

第5次中期経営計画では、売上高は伸展し、M&Aによる事業ポートフォリオの組み換えには相応の進展がありました。これは産業資材事業の強化および医療分野への進出を目標に実施した海外M&A計画の定量面での成果です。一方で営業利益率などの収益性、営業利益に占めるコンシューマーエレクトロニクス市場の割合(IT比率)などの目標は当初計画に未達であり、主力のディバイス事業に大きく依存する収益構造は依然として課題として残り、バランス経営の観点からは満足できる結果ではなく、道半ばと評価しています。これまでの企業理念は「印刷を基盤に培った固有技術」を成長の原動力としていました。第6次中期経営計画では事業領域が拡大し、従来の印刷技術の進化のみでは説明できない新たな技術や製品群をも当社に取り込むビジネス環境を想定し、2017年10月に創業以来の社名をNISSHAに変更しました。また、会社の原動力を印刷技術や固有技術に限定せず、「多様な人材能力と情熱」としてより広く製品・市場へと応用展開するものと位置付けました。ここには変革に向けたNISSHAの強い決意を感じています。世の中が我々の常識を超えて変化している昨今、同業他社や関連業界は当然のこと、一見、関係の薄くみえる事象が当社の事業のヒントになることもあり、積極的に広く外部との交流、情報交換を図っていくことが必要です。

第6次中期経営計画におけるガバナンスの課題

世界経済は拡大する一方、不安定な要因が多い状況下ですが、第6次中期経営計画で設定した利益率、利益におけるIT比率、ディバイス事業への依存度、自己資本比率などの目標を確実に達成することが必須です。また、既存事業の太りの追求には限界があるなかで成長するためには、次を見据えて重点市場にフォーカスし、M&Aを活用し、今後とも新たなコア技術の獲得に注力してほしいと考えています。第5次中期経営計画での海外M&Aの結果、北南米、欧州での生産・販売が急速に拡大し、従来の海外売上高比率が一層高まるなか、海外で勤務する社員の数は大幅に増加しました。また買収先企業の最高経営責任者(CEO)を本社役員に登用し、海外の買収先企業との一層の連携を進めました。今後は、当社グループの収益力向上に寄与するようにPMI(企業買収後の経営統合作業と本社との関与)の実効性を高め、シナジー効果を具現化して企業価値の向上と長期的成長につなげることが課題です。同時に、将来的な国際会計基準(IFRS)の適用に備えて、海外買収先企業の企業価値、市場動向、将来の展望を定期的に精査し、本社・グループ会社間の情報や課題・施策を共有する体制を構築することが一層重要になると考えます。第6次中期経営計画では、新しい企業理念「多様な人材能力と情熱」のもとで働き方改革による生産性改革を一層推進し、「事業ポートフォリオの組み換え・最適化」と「バランス経営の完成」を期待しています。

経歴

1972年  4月 株式会社第一勧業銀行(現株式会社みずほフィナンシャルグループ)入行
1979年  6月 米国エール大学経営大学院修士課程修了
2001年  1月 株式会社第一勧業銀行国際審査部長
2002年  4月 東京リース株式会社(現東京センチュリー株式会社)入社
2006年  6月 同代表取締役専務執行役員
2007年  6月 同専務執行役員 同年同月当社社外取締役(現任)
2008年  6月 高島株式会社社外監査役(常勤)

最優先課題である「安定した事業基盤」の拡大には、
グループ内の連携を図り、
新製品開発や人材能力でのシナジーを
グローバルにスピーディーに
推進していくことが重要です。

第5次中期経営計画(2016年3月期~2017年12月期)の評価と
第6次中期経営計画(2018年12月期~2020年12月期)における課題

NISSHA社外取締役 野原 佐和子

社外取締役 野原 佐和子

第5次中期経営計画は決算期変更に伴い、2年9カ月と短めでしたが、初年度にAR Metallizingグループの買収・子会社化等により蒸着紙・パッケージ資材等の安定的な収益分野を獲得し、さらに、次年度には医療機器やその関連分野を手掛けるGraphic Controlsグループの買収・子会社化により医療機器分野に新規参入しました。これらにより、第5次中期経営計画の中心的な課題であったIT分野に偏重しない事業領域の多様化を実現し、最終年度には売上高が史上最高を達成しました。NISSHAにとって重要な事業変革を順調に進捗させたと高く評価しています。2018年度からはじまった3カ年の第6次中期経営計画では、先の第5次中期経営計画で獲得した戦略的資産とのシナジーを最大化することによって「安定した事業基盤」を拡大することが、最優先課題です。そのためには、NISSHAグループ内における製品・技術、生産プロセス、サプライチェーン、顧客基盤などの連携・共有、新製品開発でのシナジー、人材能力のシナジーをグローバルにスピーディーに推進していくことが重要です。また、事業ポートフォリオの多様化をさらに進めるためのM&Aも計画されています。第6次中期経営計画の期間は、事業領域の拡大やグローバル化に対応した人材育成プランの構築やキャリアパスの形成、ダイバーシティの推進などが、ますます重要になると考えています。

第6次中期経営計画におけるガバナンスの課題

NISSHAの取締役会では、さまざまな経営課題について社内・社外の取締役・監査役、必要に応じて執行役員が一体となって忌憚ない意見を交わし、長時間にわたる活発なディスカッションを行っています。また、2015年10月に指名・報酬委員会を設置、2016年6月から社外取締役を4名に増員、2018年3月からは社内・社外の取締役3名を新たに選任し、取締役会メンバーの若返りを図るなど、コーポレートガバナンス強化に向けて積極的に取り組み続けています。一方、NISSHAは、第5次中期経営計画の期間内に国内外でM&Aを積極的に行い、既に海外売上高が8割を超え、海外で勤務する社員の数が約半数を占めるなど、グローバルな企業グループとなりました。今後もさらに国内外でのM&Aを展開していくことが予測され、それに対応したグローバルグループ全体でリスクをマネジメントする体制を整備していくことが重要だと考えます。これからも、社外の視点、鳥瞰的な視点で積極的にコメントするよう引き続き取り組んでまいります。

経歴

1988年12月 株式会社生活科学研究所入社
1995年  7月 株式会社情報通信総合研究所入社
1998年  7月 同ECビジネス開発室長
2000年12月 有限会社イプシ・マーケティング研究所取締役
2001年12月 株式会社イプシ・マーケティング研究所代表取締役社長(現任)
2006年  6月 日本電気株式会社社外取締役
2009年11月 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授(現任)
2012年  6月 株式会社損害保険ジャパン社外監査役
2013年  6月 NKSJホールディングス株式会社
                   (現SOMPOホールディングス株式会社)社外取締役(現任)
2014年  6月 当社社外取締役(現任)
                    同年同月株式会社ゆうちょ銀行社外取締役(現任)

NISSHA のコア技術と獲得した事業基盤を結び付けた
新たな製品・サービスの創出に期待。
新しい企業理念体系を浸透させて全社的な一体感を醸成し、
多様化した社員の総力を結集させることが大切です。

第5次中期経営計画(2016年3月期~2017年12月期)の評価と
第6次中期経営計画(2018年12月期~2020年12月期)における課題

NISSHA社外取締役 大杉 和人

社外取締役 大杉 和人

第5次中期経営計画における最も大きな果実は、今後有望と見込まれる新たな市場への足掛かりを構築し、これからのNISSHAの中長期的な成長を支える基盤を整備したことです。海外企業の買収により、高機能パッケージ資材分野と医療機器分野へ新たに事業参入し、自動車市場における事業基盤や顧客基盤の拡充も図りました。こうした事業戦略により、IT市場に過度に依存していた従来の事業ポートフォリオの再構築を進めながら、売上高の規模を第5次中期経営計画の期間中に飛躍的に伸長させることに成功しました。これは大きな成果であったと評価できます。第6次中期経営計画では、「質の改善」をより重視し、一段とバランスのとれた事業ポートフォリオのもとで、売上高をさらに伸長させるとともに、第5次中期経営計画では未達に終わった利益率の向上、財務基盤の充実、資本効率の引き上げを目指す内容としています。第6次中期経営計画を成功に導く鍵は、NISSHAのコア技術と第5次中期経営計画で獲得した事業基盤を有機的に結び付け、新たな製品やサービスをどれだけ多く市場に提供していけるかにかかっています。この点、2018年2月に完成した「NISSHA イノベーションセンターKYOTO」が、これまで構内に点在していた多様な能力を持つ技術者の結集により、当社が蓄積している様々な技術のシナジー効果を引き出すとともに、社員相互の切磋琢磨の場として中核的な役割を果たすことを強く期待しています。

第6次中期経営計画におけるガバナンスの課題

NISSHAがグローバル企業として大きな成長を遂げたことは、ガバナンスの面で新たなチャレンジに直面していることを意味しています。まず、地理的、規模的、事業内容的に一段と拡がった企業活動のパフォーマンスやリスクを効果的に監視していく体制作りが不可欠です。今般、グループ会社全体の決算期をすべて12月末に統一し、さらに今後、国際会計基準(IFRS)の適用を予定していることは、経営管理の面で着実な前進と評価しています。さらには、必要な情報(とくにバッド・ニュース)が漏れなくタイムリーに取締役会に報告されるプラクティスを社内にしっかりと定着させていくことが重要と考えます。以上のようなガバナンスの「守り」の面とともに、社員の総力を結集し企業の競争力向上に繋げていく「攻め」のガバナンスも大きな経営課題です。社員の国籍、人種、性別、年代等がこれだけ多様化してくると、全社的な一体感を醸成するためには、社員一人ひとりが精神の拠り所としうる象徴が必要です。これが企業理念の役割だと考えます。経営陣は、第6次中期経営計画において新たに策定したNissha Philosophyを、社内報や社内イントラネットの活用、CEOからの直接的な語りかけ、人事交流などを通じて組織の末端まで浸透させていくべく不断の努力を継続することが大切です。

経歴

1977年  4月 日本銀行入行
1984年  5月 米国ミシガン大学経営大学院修士課程修了
1986年11月 BIS(国際決済銀行)エコノミスト
1999年  6月 日本銀行松本支店長
2001年  5月 同大阪支店副支店長
2003年  5月 産業再生機構RM統括シニアディレクター
2005年  7月 日本銀行金融機構局審議役・金融高度化センター長
2006年  5月 同検査役検査室長
2007年  4月 同政策委員会室長
2009年  4月 お茶の水女子大学客員教授
2011年  9月 日本銀行監事
2015年10月 日本通運株式会社警備輸送事業部顧問(現任)
2016年  6月 当社社外取締役(現任)

日本のメーカーは切迫感・緊張感を持ち、
五感で変化を感じ、
果敢にチャレンジすることが求められています。
社外取締役としてNISSHA の強みを伸ばし、
企業価値の持続的な増大に貢献していきます。

グローバル市場で成長し続けるメーカーに求められる資質

NISSHA社外取締役 安藤 誠

社外取締役 安藤 誠

NISSHAは 2017年10月に社名をNISSHA株式会社に変更し、更なる社業発展に向けて大きくアクセルを踏み出そうとしています。その飛躍の時期に「守り」と「攻め」の経営ガバナンスを担う社外取締役の一員として選任されたことに大きな誇りを持っています。私は、前職であるパナソニック株式会社では主にデジタルAV機器事業分野においての研究開発、商品設計、経営企画、そして事業経営などを経験し、現在は食品産業に関わる機器メーカーで事業経営を行なっています。パナソニックでは創業者の経営理念を指標に、激変する世界市場に適合するよう努めてきました。理念の重みを認識しつつ、昨今はその継承と実践の難しさを目の当たりにしたことも事実です。これまでの経験や反省から、日本のメーカーに求められる資質は、ひとえに「切迫感・緊張感を持ちながら、五感で変化を感じ取り果敢にチャレンジする」ことであると考えています。ポイントは「本質から目をそらさない」、「変化を恐れない」、「スピード感を大切にする(即断即決)」。経営者は、世界の変革の芽を感じ取っている人材の声を聞き逃さず、本質的であるかを判断して迅速に舵を取る。そして社員全員は、変化を恐れず一段上のコミット目標に向かって高速回転する。経営者・社員全員が現状に安穏とせず、一丸となって事業発展にまい進することこそが日本のメーカーの生き残りの方策であると信じています。

社外取締役として果たしていく役割

昨今の社外取締役には、リスクや不祥事を回避する「守り」と、経営者の迅速・果断な決定を支援し企業価値を高める「攻め」、そして株主の期待に応える視点が求められています。つきましては、短期的な収益性だけでなく常に中長期的な成長戦略に向けて多面的で異質な意見、時には耳の痛い話も厭わず直言したいと考えています。社外の者だからこそ見えるNISSHAの企業としての強みや大切にすべき企業文化を伸ばし、株主を始めとするステークホルダーのために企業価値の持続的な増大に貢献できるよう努める所存です。

経歴

1982年  4月 松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社
2003年  4月 同参事
2004年  4月 同経営企画グループデジタルネットワークサービス&事業チームリーダー
2006年  4月 同AVCネットワークス社企画グループグループマネージャー
2007年  4月 同理事
2011年  5月 同AVCネットワークス社STBネットワークビジネスユニットビジネスユニット長
2016年  1月 同技術担当役員付
     同年10月 株式会社サンテツ技研取締役技監
2017年  4月 同取締役営業部長
     同年  7月 同取締役統括部長兼営業部長(現任)
2018年  3月 当社社外取締役(現任)

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