社外取締役メッセージ

NISSHAの社外取締役4人から、当社の経営課題について、以下のメッセージをいただきました。

取締役会では自由・活発な意見が交換され、議案の想定リスクも含めた審議を実施。買収後のPMI(Post Merger Integration)の実効性を高め、経営統合によるシナジー効果を追求することが課題です。久保田 民雄

当社取締役会の評価と課題 

NISSHA社外取締役 久保田 民雄

社外取締役 久保田 民雄

近時、いわゆるガバナンス先進企業と評価されてきた大企業においての不祥事の例が散見され、形の上での枠組みを作ったとしても、日々の業務運営上、有効な牽制が備わっていなければ画餅に過ぎないことを痛感しています。
NISSHAは2015年以来、コーポレートガバナンスコードが求める項目を見直し、一部の不具備項目については取締役会での議論を経て整備しました。ただし重要なことはその運用に実効性が伴っているか否かであり、その点、当社取締役会においてはコーポレートガバナンスコード導入以前から社内・社外役員のみならず議案提案者も含めた審議状況から、種々のリスクが想定される議案等についての「報・連・相」が社内に浸透していると実感しています。また取締役会では自由かつ活発に議論される風土があり、実効性という点では高く評価しています。
総合評価 構成 役割 運営
右記3つの評価項目(前年課題の進捗状況を含む)の総合評価 構成人数は適切で、多様性は確保できているか 戦略策定の議論や、業務執行の監視は適切か 議論する項目や情報提供は適切か、開催頻度や時間の使い方は適切か
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次期中期経営計画(第6次中期経営計画)に向けた課題

2015年4月から始まった第5次中期経営計画2年目の成果は不芳でした。為替相場の動向、顧客側の需要のずれ込み等、当社が制御できない要因はあったとはいえ、主力のディバイス事業に大きく依存する収益構造のなかで同事業における需要の大幅な減少と次年度受注への先行費用の発生により、業績が前年比で下振れしたことは特定事業の過度の依存度からの脱却が当社の最大の懸案であることを示しています。
次期の中期経営計画においても目指す方向性は基本的には変わらないでしょう。一方、第5次中期経営計画では大型海外M&Aによる蒸着紙および医療分野への進出では所期の目標を達成し、一定の成果を収めましたが、第6次中期経営計画以降はこれらの買収先企業が当社グループの収益力向上に寄与するようにPMI(企業買収後の経営統合作業と本社との関与)の実効性を高めていくことが課題です。

グローバル経営の直面課題

市場拡大の見通しが厳しく、既存事業の太りの追求に限界があるなかでは国内外企業の買収、提携等は今後とも重要な選択肢であるとともに、外需比率の高い当社にとっては為替変動の耐性を強めるためにも海外企業買収による地産地消型化を進めることが必要です。
これまでの企業買収時の検討においては社内の担当部署、経営レベルでの調査・分析を受け、取締役会では買収によるグループ戦略の妥当性・シナジー効果、将来の収益力予想、厳格な資産査定(特に隠れ債務、子会社の資産内容の把握)、さらには現地経営者の資質およびキー人材の維持、地場法制・会計制度、買収後の現地経営と本社の関与のあり方等について多岐にわたり議論してきました。買収企業の実在価値に対して不相当な高値づかみにならないように意を払ってきました。この審議プロセスは健全なものと考えています。
海外企業の買収により当社の事業基盤はアジア、米州、欧州に広がりをみせていますが、買収後の企業経営については往々にして現地の業界動向、マネジメント、労働市場、言語、文化等での認識相違も起こりうるため、被買収企業の自主性を尊重する一方で、本社・現地子会社とのコミュニケーションを深め、PMIに注力し、経営統合によるシナジー効果を上げていくことが望まれます。

経歴

1972年4月    株式会社第一勧業銀行(現株式会社みずほフィナンシャルグループ)入行
1979年6月    米国エール大学経営大学院修士課程修了
2001年1月    株式会社第一勧業銀行国際審査部長
2002年4月    東京リース株式会社(現東京センチュリー株式会社)入社
2006年6月    同 代表取締役専務執行役員
2007年6月    同 専務執行役員
2007年6月  当社社外取締役(現任)
2008年6月    高島株式会社社外監査役(常勤)

Nisshaグループ全体の組織能力の向上と、グローバル視点に基づいた地域ポートフォリオおよび戦略資産ポートフォリオを新たに構築することが重要です。小島 健司

当社取締役会の評価と課題

NISSHA社外取締役 小島 健司

社外取締役 小島 健司

企業統治機構および機能改革のために取締役会が果たすべき重要な役割は、次の3つの監督機能を適切に果たすことだと考えられます。第1は、企業価値創造を目的として経営陣(執行役員)の業務執行が各ステークホルダーの利益を効率的に増進しているか、第2は業務執行を担う経営陣が法令および定款に即した行動を取っているか、第3は経営陣が一貫性・継続性・透明性の一定水準を満たした必要情報を開示し、適切な説明責任を果たしているかを監督することです。NISSHAの取締役会は、上記全ての監督機能を一定水準で満たしており、昨年度に比較して着実に改善されています。今後の課題としては、社外取締役の知識と知見を活かしつつ、迅速かつ的確な情報提供と適切な説明を行うための経営陣のさらなる能力向上が必要と考えます。
総合評価 構成 役割 運営
右記3つの評価項目(前年課題の進捗状況を含む)の総合評価 構成人数は適切で、多様性は確保できているか 戦略策定の議論や、業務執行の監視は適切か 議論する項目や情報提供は適切か、開催頻度や時間の使い方は適切か
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次期中期経営計画(第6次中期経営計画)に向けた課題

2015年4月から始まった第5次中期経営計画では事業ポートフォリオの組み換えを企業成長戦略の中核に据えて、成果達成に向けて経営を進めてきました。「M&Aを活用した成長」は計画通り進められ成果も確実視されていますが、内部成長を主体とする他の戦略案は当初計画を達成することが難しい状況にあります。このことから、事業ポートフォリオを有効かつ効率的に展開するに必要な組織能力が未だ十分とは言えないことが指摘できます。
次期、第6次中期経営計画の重要課題としましても、Nisshaグループ全体の組織能力の更なる向上が不可欠です。今後さらに必要とされる組織能力としては、事業環境変化を的確に把握し、それへの機敏かつ的確な対応を行動に反映し、目標達成に執着する遂行力が挙げられます。特に、部長職以上の上級管理者の能力が必要水準に達しているとは言えません。従来の思考・行動枠組みを根本的に見直し、求められる内容と水準を明確に理解し、率先して組み換える必要があります。中間管理職は自己に与えられた戦略遂行の具体的内容と方法について的確に理解し、現場社員への周知・徹底を通じて、個人の課題や行動目標を着実に達成させることが必要です。

グローバル経営の直面課題

NISSHAは企業成長の新たな局面として、環境変化に適合したグローバル経営に向けた変革を持続的かつ機敏に進めることを求められています。それに応えるには、事業ポートフォリオの組み換えに伴って、グローバル視点に基づいた地域ポートフォリオおよび戦略資産ポートフォリオを新たに構築することが必要です。この課題認識を第6次中期計画では企業成長戦略の中核に据えて、策定・遂行することが重要です。
そのためにも、グローバル事業拠点における事業体の組織能力を的確に把握し、グローバル経営の視点より適切に評価を行うことが必要です。組織能力の一層の強化と組み換えにより、地域ポートフォリオに基づいた有効かつ効率的な戦略資産ポートフォリオを構築していくことが指摘できます。
これらのグローバル経営課題の面においても、上級管理者と中間管理職は既に指摘した通りの役割と能力の向上についてよく自覚して、主体的に行動を起こす必要があります。

経歴

1970年4月    松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社
1975年6月    米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修士課程修了
1979年3月    神戸大学大学院経営学研究科博士課程単位修得
1985年3月    米国エール大学経営大学院客員研究員
1988年9月    米国スタンフォード大学工学部客員研究員
1993年1月    米国ハーバード大学経済学部客員研究員
1999年5月    神戸大学経済経営研究所教授
2008年6月    当社社外取締役(現任)
2012年4月    神戸大学経済経営研究所特命教授(現任)

議論が活発な取締役会では社外ならではの独立性のある鳥瞰的な視点が必要です。事業ポートフォリオの組み換え推進のためには、専門人材の登用や人材育成プランの構築が重要です。
野原 佐和子

当社取締役会の評価と課題

NISSHA社外取締役 野原 佐和子

社外取締役 野原 佐和子

NISSHAの取締役会では、さまざまな経営課題について社外・社内の取締役・監査役、必要に応じて執行役員が一体となって忌憚ない意見を交わし、長時間にわたる活発なディスカッションを行っています。2015年10月に指名・報酬委員会を設置したことに加え、2016年6月から社外取締役を4人とし取締役会での社外比率が半数となるなど、コーポレートガバナンス強化に向けて積極的に取り組み続けています。
しかし一方で、取締役会で社内・社外の取締役・監査役が長時間にわたり議論を繰り返し行う状況は、社外役員にとっては社外ならではの独立した視点が希薄になるリスクをはらんでいます。そうしたことがないよう、社外の視点、鳥瞰的な視点で積極的にコメントするよう引き続き取り組んでまいります。
総合評価 構成 役割 運営
右記3つの評価項目(前年課題の進捗状況を含む)の総合評価 構成人数は適切で、多様性は確保できているか 戦略策定の議論や、業務執行の監視は適切か 議論する項目や情報提供は適切か、開催頻度や時間の使い方は適切か
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次期中期経営計画(第6次中期経営計画)に向けた課題

NISSHAでは、2015年4月から3カ年の第5次中期経営計画が始まり、今期(2017年12月期)はその最終年度ですが、決算期の変更のため今期は9カ月間しかありません。しかし、2016年3月期にはAR Metallizingグループの買収・子会社化等により蒸着紙・パッケージ資材等の安定的な収益分野を獲得し、さらに、2017年3月期には医療機器やその関連分野のGraphic Controlsグループを9月に買収・子会社化したことで「ライフイノベーション事業」分野への新たな進出を果たしました。最終年度を残して、既に、第5次中期経営計画の中心的な課題であるIT分野に偏重しないバランス経営のための主な打ち手が完了しており、重要な事業変革が順調に進捗していると高く評価しています。
次期、第6次中期経営計画の策定では、さらなる事業ポートフォリオの組み換え推進が重要な課題です。そのためには、現在はスキル・人脈の少ない業界や事業領域においても、今後はM&Aや技術開発、商品開発を行う機会がさらに増加することから、これまで以上に社外からの専門人材の登用、社内人材の育成が必要になります。そのための人材育成プラン構築やキャリアパスを形成することが重要だと考えます。

グローバル経営の直面課題

NISSHAは、第5次中期経営計画の期間内に海外企業のM&Aを積極的に行い、既に海外売上高が7割を超えるグローバルな企業グループとなりました。今後もさらに国内外でのM&Aを展開していくと予測され、それに対応した、海外子会社のガバナンス体制を整備しグローバルグループ全体でリスクをマネジメントする体制を構築することが重要だと考えます。

経歴

1988年12月    株式会社生活科学研究所入社
1995年7月      株式会社情報通信総合研究所入社
1998年7月      同社ECビジネス開発室長
2000年12月    有限会社イプシ・マーケティング研究所取締役
2001年12月    株式会社イプシ・マーケティング研究所代表取締役社長(現任)
2006年6月      日本電気株式会社社外取締役
2009年11月    慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授(現任)
2012年6月      株式会社損害保険ジャパン社外監査役
2013年6月      NKSJホールディングス株式会社 (現SOMPOホールディングス株式会社)社外取締役(現任)
2014年6月      当社社外取締役(現任)
2014年6月      株式会社ゆうちょ銀行社外取締役(現任)

社外取締役が半数を占める取締役会では健全かつ建設的な緊張関係が醸成。市場ニーズの的確な見極めとオープンイノベーションなどの開発手法による新製品開発が課題です。大杉 和人

当社取締役会の評価と課題

NISSHA社外取締役 大杉 和人

社外取締役 大杉 和人

NISSHAの取締役会は、コーポレートガバナンスの観点から見て、期待される役割を十分に発揮しているものと判断されます。取締役会の場では、半数を占める社外取締役と社内取締役との間に健全かつ建設的な緊張関係が醸成されています。時に白熱した議論が長時間にわたることがあり、担当の執行役員に対し次回取締役会までの「宿題」が出されることもめずらしくありません。このような深みのある議論を通じて、「社外の眼」も活かしながら案件を様々な角度から吟味しています。
今後の課題は、限られた時間の中でより効率良く議論を戦わせ、取締役会自体の実効性と生産性をさらに高めていくことが期待されます。
総合評価 構成 役割 運営
右記3つの評価項目(前年課題の進捗状況を含む)の総合評価 構成人数は適切で、多様性は確保できているか 戦略策定の議論や、業務執行の監視は適切か 議論する項目や情報提供は適切か、開催頻度や時間の使い方は適切か
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次期中期経営計画(第6次中期経営計画)に向けた課題

2015年4月から始まった第5次中期経営計画については、M&Aによる事業ポートフォリオの組み換えが進展し、現時点では概ね着実に進捗しつつあると評価できます。また、NISSHAの事業活動のグローバル化に伴い、グループ全体のリスク・マネジメントが経営上の重要な課題となりますが、今般、グループ企業全体の決算期を12月末に統一することを決したことは、極めて適切な経営判断であったといえましょう。
Graphic Controlsグループの買収・子会社化により、「ライフイノベーション」という新しい事業部門を立ち上げたことは第5次中期経営計画における一つの画期的な進展でした。NISSHAがさらなる発展を遂げていくためには、これからも市場ニーズに応える新製品を開発していくことが不可欠です。成長分野の的確な見極めと新製品開発手法の適切な選択(M&A、オープンイノベーション、自社開発)が今後とも経営の中心的な課題と考えています。

グローバル経営の直面課題

世界経済は現在、リーマン・ショック後の長い調整局面をようやく脱し、新たな成長軌道に乗りつつあるように見られます。しかしながら、企業の投資判断が将来の収益期待に賭ける行為である以上、企業経営から不確実性のリスクを完全に遮断することはできません。不確実性の下でのグローバル経営の要諦は、役員をはじめ全社員がグローバル感覚を磨くことに尽きると思います。旺盛な好奇心を持って世界を眺め、様々な事象から謙虚に教訓を吸収するオープンな姿勢が大切です。
2017年10月6日から社名を「NISSHA株式会社」に変更します。この社名に恥じないようNISSHAがグローバル企業として一段の飛躍を遂げてくためには、全社一丸となってグローバル感覚を磨く努力を継続することが肝要と考えます。

経歴

1977年4月  日本銀行入行
1984年5月  米国ミシガン大学経営大学院修士課程修了
1986年11月  BIS(国際決済銀行)エコノミスト
1999年6月  日本銀行松本支店長
2001年5月  同 大阪支店副支店長
2003年5月  産業再生機構RM統括シニアディレクター
2005年7月  日本銀行金融機構局審議役・金融高度化センター長
2006年5月  同 検査役検査室長
2007年4月  同 政策委員会室長
2009年4月  お茶の水女子大学客員教授
2011年9月  日本銀行監事
2015年10月  日本通運株式会社警備輸送事業部顧問(現任)
2016年6月    当社社外取締役(現任)

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