社外取締役メッセージ

2015年10月に当社はコーポレートガバナンス基本方針を制定し、コーポレートガバナンスの強化に努めるとともに、取締役会の機能をさらに向上させるための取り組みを進めています。
2016年6月からは社外取締役を1人を増員して4人とし、社外取締役が取締役8人の半数を占めています。
従来から社外取締役に就任されている久保田取締役、小島取締役および野原取締役には、2015年度の当社取締役会の評価と課題、2015年度から運用を開始している第5次中期経営計画1年目の評価と課題を伺いました。また、2016年株主総会にて新たに社外取締役に就任された大杉取締役には、金融経済全般にわたる幅広い知見からマクロ経済情勢とそのなかでの企業の課題を伺いました。

取締役会の実効性など、NISSHAのコーポレートガバナンスは高水準であると評価。組織や人材の行動様式を、いかに変革できるかが、第5次中期経営計画達成の鍵となります。—久保田 民雄

NISSHAの取締役会についての評価(5段階評価)

社外取締役 久保田 民雄

社外取締役 久保田 民雄

NISSHAの取締役会の構成は、社外取締役が、取締役7人中3人、2016年6月からは8人中4人を占め、人数、構成比、バックグラウンドの多様性等からみて適切と考えています。また、取締役会の議案は決議事項、報告事項とも多岐にわたりますが、開催日前に詳細な資料提供があることにより、取締役会出席メンバーは、事前に論点を整理した上で取締役会に臨むことができ、議場では質疑応答とともに活発で建設的な議論が交わされています。その議論の結果、追加説明、再検討を要するとして次回取締役会に持ち越しとなる議案も度々発生します。また、結果分析、反省等も含めてレビューされていることからも、取締役会の実効性は十分にあるものとして評価しています。これまでの運営上、有効なガバナンスは確保できており、特段、改善すべき点はないと考えています。
総合評価 構成 役割 運営
右記3つの評価項目を踏まえたNISSHA取締役会への総合評価 構成人数は適切で、多様性は確保できているか 戦略策定の議論や、業務執行の監視は適切か 議論する項目や情報提供は適切か、開催頻度や時間の使い方は適切か
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第5次中期経営計画  1年目の評価と課題

第5次中期経営計画は「事業ポートフォリオの組み換え」を戦略の主軸としていますが、定量目標に対する1年目の進捗度合いは十分ではありません。連結売上高は前年度から大きく伸長せず、営業利益についてもディバイス事業以外は回復が遅れています。復活を目指す産業資材事業は、海外M&A(AR Metallizingグループの買収・子会社化)の効果を除けば、既存事業は引き続き低調でした。
事業ポートフォリオの組み換えは組織や人材の組み換えなしには達成できないとの認識に立ち、当社では現在、人事制度の再構築に着手していますが、その成果はいまだ限定的です。前述のとおり、産業資材事業の再構築・強化が当社の喫緊の課題となりますが、ライフイノベーション事業、情報コミュニケーション事業についても営業戦略・戦術には力強さが欠けています。全ての事業部門に共通することですが、組織や人材の行動様式が従来の延長線上から踏み出せず、マンネリズムに陥ってはいないかを常に振り返る必要があります。目標とする組み換えを実現させるためには、従来のアプローチを踏襲するだけでは、量的にも時間的にも難しいと考えます。
営業展開、営業力に爆発力を持たせる仕組みをいかにして再構築するか—business, product, marketの面でのデータの再分析、障害となる要因と課題の認識、経営手法や具体的な打ち手の提示、人材の投入・配置、組織の編成等の幅広い観点から、これまでの制約、固定観念に縛られず、スピーディに実効性を上げることが鍵です。また事業部門のみでなく、コーポレート部門を含めた全社業務プロセスのなかで連携し、聖域なく、建設的破壊・再構築することが必須要件となります。Challenge ! 第5次中期経営計画の目標達成に向け一層の努力を期待しています。

経歴

1972年4月    株式会社第一勧業銀行(現株式会社みずほフィナンシャルグループ)入行
1979年6月    米国エール大学経営大学院修士課程修了
2001年1月    株式会社第一勧業銀行国際審査部長
2002年4月    東京リース株式会社(現東京センチュリーリース株式会社)入社
2006年6月    同 代表取締役専務執行役員
2007年6月    同 専務執行役員
2007年6月    当社社外取締役(現任)
2008年6月    高島株式会社社外監査役(常勤)

主な活動状況および選任理由

久保田民雄氏は、2016年3 月期に開催された取締役会21 回すべてに出席し、国際的な知見やこれまでの他社での経営および監査役としての幅広い経験や見識を活かし、企業経営者としての立場から、当社の経営全般に有益な指摘や意見を述べ、当社の業務執行の監督等の役割を適切に果たしていただいています。今後も独立した立場で、当社経営全般に的確な助言がいただけるものと判断し、 社外取締役として選任しています。

独立性のある社外取締役の存在は取締役会の監督機能を向上させ、企業価値の最大化を促進します。「製品・市場ポートフォリオの組み換え」を実現するためには、役員・社員共に粘り強く目標達成への意識と必要な能力を持たなくてはなりません。
—小島 健司

NISSHAの取締役会についての評価(5段階評価)

社外取締役 小島 健司

社外取締役 小島 健司

日本企業の企業統治機構および機能の改革が進められています。その主要な統治改革の一つが取締役会の機能向上です。その中で取締役の役割は、下記3つの監督機能を有効に果たすことだと考えられます。
第1は、業務執行とその監督を明確に分離して、経営陣(執行役員)の業務執行がステークホルダーの利益を効率的に増進しているかを監督することです。第2は、業務執行を担う経営陣が法令および定款に適合しているかを監督することです。第3は、経営陣がステークホルダーに対して、一貫性・継続性・透明性において一定水準を満たした必要情報を開示し、説明責任を果たしているかを監督することです。
これらの監督機能は、経営陣の業務執行がステークホルダーの利益を増進させ、取締役会がステークホルダーの利害調整を有効に行うことができるような構成・運営であることで、有効に機能します。取締役会を独立性の高い社外取締役で構成させることは、取締役会の本来機能を明確にし、企業価値の創造を目的として、業務執行機能とその監督機能を明確に分離し業務執行を担う経営陣をその目的に沿って適切に監督することにつながると考えます。
NISSHAの取締役会は、上記3つの監督機能が有効に機能していると評価しています。今後の課題としては、経営陣が社外取締役の知識と知見を十分に活かせるように、業務執行についての迅速かつ的確な情報提供ができる体制をさらに整備していくことが必要だと考えています。
総合評価 構成 役割 運営
右記3つの評価項目を踏まえたNISSHA取締役会への総合評価 構成人数は適切で、多様性は確保できているか 戦略策定の議論や、業務執行の監視は適切か 議論する項目や情報提供は適切か、開催頻度や時間の使い方は適切か
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第5次中期経営計画  1年目の評価と課題

NISSHAは企業成長の新たな局面に差し掛かっており、企業環境の変化に適合した抜本的変革を持続的かつ機敏に進めることを求められています。それに応えるには、既存事業の収益を原資として新規事業開発に投入し、変革を迅速に進めることが最重要課題です。この課題認識のもとに、第5次中期経営計画では事業ポートフォリオ組み換えを中期ビジョンに据えています。
事業ポートフォリオ組み換えを実現する5つの基本戦略のうち、「M&Aを活用した成長」を除く他の4つの戦略の展開は、まだ十分ではありません。特に、「製品・市場ポートフォリオ組み換え」は第5次中期経営計画の期間である2018年3月期までに計画を達成するためには、一層の努力が必要です。また、5つの戦略を有効かつ効率的に展開するには、計画を達成する組織能力の一層の強化と同時に組み換えが必要です。
必要とされる組織能力は、事業の環境変化を的確に把握して、それに機敏かつ的確に対応し、目標達成に執着する遂行力です。上級管理者(執行役員および部長職)は、変化に対応する業務執行を機敏かつ執拗に推し進める実行力の強化が必要です。また、上級管理職は従来の思考・行動枠組みを根本的に見直し、求められる内容と水準を明確に理解し、率先して組み換える必要があります。
中間管理職は自己に与えられた戦略遂行の具体的内容と方法について的確に理解し、行動することが必要です。さらにそれらを現場社員に周知・徹底し、彼らの個人課題と目標に落とし込み、それぞれの目標を着実に達成させることが必要です。
このような現状について、取締役および上級・中間管理職ともによく自覚し、管理職の業務執行能力および取締役の実態把握による監督・牽制能力の一層の強化に真摯に取り組むことが必要です。

経歴

1970年4月    松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社
1975年6月    米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修士課程修了
1979年3月    神戸大学大学院経営学研究科博士課程単位修得
1985年3月    米国エール大学経営大学院客員研究員
1988年9月    米国スタンフォード大学工学部客員研究員
1993年1月    米国ハーバード大学経済学部客員研究員
1999年5月    神戸大学経済経営研究所教授
2008年6月    当社社外取締役(現任)
2012年4月    神戸大学経済経営研究所特命教授(現任)

主な活動状況および選任理由

小島健司氏は、2016 年3 月期に開催された取締役会21回すべてに出席し、企業統治、経営戦略の研究者としての深い知見と、神戸大学大学院MBA課程で数多くのビジネスパーソンを育成してきた豊富な経験から、当社の経営全般に有益な指摘や意見を述べ、当社の業務執行の監督等の役割を適切に果たしていただいています。今後も独立した立場で、当社経営全般に的確な助言がいただけるものと判断し、 社外取締役として選任しています。

活発な議論の交わされる取締役会。成長のためにM&Aを活用するなか、グローバルグループ全体でのリスクマネジメントが
今後の課題です。—野原 佐和子

NISSHAの取締役会についての評価(5段階評価)

社外取締役 野原 佐和子

社外取締役 野原 佐和子

NISSHA の取締役会では、さまざまな経営課題について社外・社内の取締役・監査役、必要に応じて執行役員が一体となって忌憚ない意見を交わし、長時間にわたる活発なディスカッションを行っています。2015年には指名・報酬委員会を設置したことに加え、2016年6月からは社外取締役を4人とし、取締役会での社外比率が半数となるなど、コーポレートガバナンスの強化に向けて積極的に取り組み続けています。
一方で、海外M&Aを積極的に展開していることから、国内だけでなく、海外子会社のガバナンス体制を整備していくことが課題です。また、社内・社外の取締役・監査役による議論が長時間にわたり繰り返し行われる状況は、ややもすると社外役員としての独立した視点が希薄になるリスクをはらんでいます。そうしたことがないよう、社外の視点、多様なステークホルダーの視点で客観的にコメントするよう引き続き取り組んでまいります。
総合評価 構成 役割 運営
右記3つの評価項目を踏まえたNISSHA取締役会への総合評価 構成人数は適切で、多様性は確保できているか 戦略策定の議論や、業務執行の監視は適切か 議論する項目や情報提供は適切か、開催頻度や時間の使い方は適切か
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第5次中期経営計画  1年目の評価と課題

NISSHAでは、2016年3月期から3カ年の第5次中期経営計画が始まり、今期(2017年3月期)はその2年目となります。第5次中期経営計画では、印刷技術にとどまらない新たなコア技術を自社で研究開発することに加えてM&Aを活用した技術の獲得と融合を図ることによって、グローバル 市場で自動車やパッケージ資材、医療用資材などの成長分野を拡大し、IT分野に偏重しないバランス経営を確立することを目指しています。既に、2016年3月期にはAR Metallizingグループの買収・子会社化、AR MetallizingグループによるMálaga社の買収により、蒸着紙・パッケージ資材等の分野を獲得しました。その他の施策も含め、第5次中期経営計画は順調に進捗していると評価しています。
第5次中期経営計画の目標に向かって今後も国内外でM&Aを展開していくにしたがい、個々の子会社のガバナンス体制を充実するだけでなく、グローバルグループ全体でリスクをマネジメントする体制を構築することが重要な課題となると考えます。

経歴

1988年12月    株式会社生活科学研究所入社
1995年7月      株式会社情報通信総合研究所入社
1998年7月      同社ECビジネス開発室長
2000年12月    有限会社イプシ・マーケティング研究所取締役
2001年12月    株式会社イプシ・マーケティング研究所代表取締役社長(現任)
2006年6月      日本電気株式会社社外取締役
2009年11月    慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授(現任)
2012年6月      株式会社損害保険ジャパン社外監査役
2013年6月      NKSJホールディングス株式会社
                        (現損保ジャパン日本興亜ホールディングス株式会社)社外取締役(現任)
2014年6月      当社社外取締役(現任)
2014年6月      株式会社ゆうちょ銀行社外取締役(現任)

主な活動状況および選任理由

野原佐和子氏は、2016年3 月期に開催された取締役会21回中18回に出席し、インターネット事業に関する深い知見とこれまでの企業経営および他社取締役・監査役としての幅広い経験や見識を活かして、当社の経営全般に有益な指摘や意見を述べ、当社の業務執行の監督等の役割を適切に果たしていただいています。今後も独立した立場で、当社経営全般に的確な助言がいただけるものと判断し、 社外取締役として選任しています。

不透明感を増す世界経済を背景に、企業には環境変化に応じた果敢な挑戦が求められます。
NISSHAの社外取締役として、実質的なコーポレートガバナンスの遂行に貢献していきます。—大杉 和人

マクロ経済環境の見通しと企業が対処すべき課題

社外取締役 大杉 和人

社外取締役 大杉 和人

世界経済は今、不透明感を著しく増してきているように見えます。資源価格の低迷を背景とする資源国・新興国経済の低迷や中国経済の減速に加え、米国の金融政策の先行きも見通しにくくなってきました。2008年に起きた世界の金融市場の混乱から8年を経て、世界経済の足取りは未だかつての力強さを取り戻すには至っていませんし、低インフレ現象が先進国ではほぼ共通して見られるようになってきています。デフレといえばかつては日本特有の現象の観がありましたが、今や他の先進国でも、日本のようなデフレに陥るリスクがあるのではないかとの懸念が政策当局者の問題意識となってきています。
企業経営とは不確実性との不断の闘いといえるのかもしれません。「一番強い種が生き残るのではなく、変化に適応できた種が生き残るのである」(ダーウィン)。不確実性の高い状況の下でこそ、環境変化に順応すべく積極果敢にチャレンジしていく企業家精神が求められているといえましょう。
私は学窓を巣立って38年余の長きにわたり日本銀行に奉職しました。中央銀行の仕事は、民間企業が活動しやすいようなマクロ環境を整備することです。これに対し、経済を発展させるのはあくまでも個々の民間企業の活動です。今般、NISSHAの社外取締役に選任され、経済の成長に直接貢献できる立場となったことに私は喜びと誇りを感じています。
わが国では時あたかも、コーポレートガバナンス新時代の幕開けと言われています。会社法の改正やコーポレートガバナンス・コードの策定等により、制度面での整備はここ数年で大きく進展しました。これからは、新しい法制度の下で、企業が「実質的」にどのようなコーポレートガバナンスを遂行し、それによっていかに自社の力強い持続的成長に繋げていくかの手腕が問われるフェーズに入っていくでしょう。私としては、そうした認識に立ちながら社外取締役としての職責を誠実に果たしていきたいと考えています。

経歴

1977年4月      日本銀行入行
1984年5月      米国ミシガン大学経営大学院修士課程修了
1986年11月    BIS(国際決済銀行)エコノミスト
1999年6月      日本銀行松本支店長
2001年5月      同  大阪支店副支店長
2003年5月      産業再生機構RM統括シニアディレクター
2005年7月      日本銀行金融機構局審議役・金融高度化センター長
2006年5月      同  検査役検査室長
2007年4月      同  政策委員会室長
2009年4月      お茶の水女子大学客員教授
2011年9月      日本銀行監事
2015年10月    日本通運株式会社警備輸送事業部顧問(現任)

選任理由

大杉和人氏は、長年にわたり日本銀行において培ってきた金融経済全般にわたる高い見識を活かし、独立した立場で、幅広い見地から当社経営全般に的確な助言をいただけるものと判断し、社外取締役として選任しています。

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