CEOメッセージ

NISSHAの経営状況

代表取締役 兼 最高経営責任者 鈴木 順也

日本写真印刷は、1929年に京都で創業しました。以来、「他社にできないものづくりを」とのスピリットで、伝統的な紙の印刷にとどまらず、プラスチック製品の表面加飾やタッチパネルの分野に印刷技術をもって進出し、特に1990年代から2000年代にかけてグローバル市場で成長しました。

しかし近年、当社の主力となったディバイス事業は、事業環境が激しく変化するコンシューマー・エレクトロニクス業界に大きく依存しており、対象市場のポートフォリオの適正化が必要となっています。また、産業資材事業と情報コミュニケーション事業は業績の回復が不十分であり、事業構造の組み換えを加速することにより収益性の改善が求められています。こうした課題認識のもと、当社は2015年4月から3カ年の第5次中期経営計画の運用を開始しました。「印刷技術に新たなコア技術を獲得・融合し、グローバル成長市場で事業ポートフォリオの組み換えを完成させる」ことを中期ビジョンに掲げて、バランスの取れた事業・製品ポートフォリオを再構築する「組み換え」の戦略に着手しています。2015年度は、海外M&Aによる蒸着紙ビジネスの取り込みや資本市場における成長資金の調達、さらに情報コミュニケーション事業の収益改善により、進捗がありました。

NISSHAのCSR

当社の企業理念は、「印刷を基盤に培った固有技術を核とする事業活動を通して、広く社会との相互信頼に基づいた《共生》を目指す」です。企業は、自社の経済的成長が、同時に社会的な価値を生み出す存在でなければなりません。私たちは、企業理念に掲げる《共生》の実現こそが、当社が果たすべき社会的責任(CSR)だと考えています。

また、当社のブランドステートメント「Empowering Your Vision」は、企業理念の実現を目指す私たちとステークホルダーのみなさまとの《共生》のあり方を表しています。それぞれが抱えるビジョンの実現に向けて双方向に影響し合いながら、ステークホルダーのみなさまとともに、価値ある未来を創出していきたいと考えています。

グローバルな視点でCSRを推進

2012年4月、当社は国連グローバル・コンパクトに署名し、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」に積極的に取り組んでいくことを宣言しました。2015年4月にはCSR委員会を設置し、当社が向き合うべきCSR課題を「基本的CSR領域」と「戦略的CSR領域」に定義して取り組んでいます。

基本的CSR領域では、グローバルな電子業界の行動規範であるEICC (Electronic Industry Citizenship Coalition) への準拠に取り組んでいます。EICCは、労働・安全衛生・環境保全・倫理の分野でマネジメントシステムを構築・運用することを求めています。これらの取り組みによって、企業を支えるESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンス)の土台を強固にし、グローバル社会で信頼され、お客さまに選ばれる企業を目指しています。

2014年、当社の国内工場は、電子業界大手のお客さまによるCSR監査を受けました。EICCより高い水準の要請によって数多くの指摘事項がありましたが、全社を挙げた取り組みにより是正を完了。2016年に別の工場で同様の監査を受けた際には、指摘項目数は大幅に減少し、CSRリスクの確実な低減を確認しています。

一方、戦略的CSR領域では、CSRのマテリアリティ(重要課題)を選定し、より長期的な視野に立った企業価値の向上に取り組んでいます。マテリアリティ項目には、非差別や強制労働の廃止、多様性の尊重や労働安全衛生、さらに環境への配慮や腐敗防止などが含まれています。当社は、お客さまからの要請を通してグローバル社会の課題に向き合っていますが、戦略的CSRの取り組みは、さらにその先にあるグローバルなCSR課題を認識することにつながります。こうして、お客さまをはじめとするステークホルダーのみなさまに安心して選んでいただける企業に成長し、また、さらなる事業機会を創出することができると考えています。

コーポレートガバナンスの強化

当社は、コーポレートガバナンスを重要な経営課題と認識しています。経営の透明性、公正性を確保することにより迅速かつ果断な意思決定を促進し、長期的な企業価値の向上を目指しています。

2008年に執行役員制度を導入し、取締役会が担うべき戦略策定および経営監視機能と執行役員が担うべき業務執行機能を分化しているほか、2007年より社外取締役を積極的に登用し、経営の透明性と公正性を確保するとともに、社外取締役の見識を活かした戦略策定、経営監視を実践しています。2016年6月にはあらたに1名の社外取締役を選任し、当社取締役会における社外取締役比率は50%となりました。

2015年10月には、コーポレートガバナンス基本方針を制定・公開しました。この方針では、当社の持続的な成長と企業価値向上のため、経営の透明性を高めコーポレートガバナンスの強化を図る考えを示しています。その上で当社は、役員の選任や報酬に関して客観性と公正性を確保するため、社外取締役の知見を活用した指名・報酬委員会を新設しております。また、取締役会の機能をさらに向上させるために取締役会の実効性の評価を年に1回実施いたします。

最後に

グローバルに事業を展開するようになった1990年代から今日に至るまで、当社はお客さま満足を追求する中で、自らも真のグローバル企業になることを目指してきました。今後も、グローバル社会の課題に真摯に向き合うことが、持続可能な経営に欠かせないと認識しています。

2015年9月、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」が国連で採択されました。世界のあらゆるセクターに、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが求められています。私たちはさらに、ステークホルダーのみなさまの声を傾聴し、事業活動に生かして行くことが重要であると考えています。

ステークホルダーのみなさまには、当社の活動報告である2016年版CSR報告書をぜひご一読いただき、忌憚のないご意見、ご指導をいただければと存じます。
今後とも、ご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
2016年6月
代表取締役社長 兼 最高経営責任者

鈴木 順也

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