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開発秘話Innovative story

NISSHAの開発者たちのものづくりに対する
思いをご紹介します。

印刷事業で培ったコア技術に
新たな技術や材料を取り込み
価値を創出する

取締役 専務執行役員 
最高技術責任者(CTO)橋本 孝夫

人と同じことはやらない

日本写真印刷株式会社 七条工場正門

当社の創業は1929年、スタートは印刷業でした。当時はモノクロ印刷が主流でしたが、他社と同じことをしていては生き残れない、と考えた創業者は最初からカラー印刷に取り組みました。
当社の業績は好調でしたが、他社との競争が日増しに激しくなります。
次の一手でどのように差別化を図るか。当社は輪転機を活用して、紙に印刷するのではなく、プラスチックに木目を転写する技術「木目転写箔」を編み出したのです。これが当社における最初のイノベーションとなりました。

一世を風びした木目箔によるテレビキャビネット

木目転写箔「ニッシャパトラン」は、テレビなどの家電製品に採用され大ヒットとなりました。これ以降、当社はさまざまな家電メーカーの間で「転写箔といえば日写(当時の社名、日本写真印刷の略称)」と言われる存在になります。これが現在の産業資材事業の原点です。


自動車内装向け成形品

転写技術を発展させた次のイノベーションがIMD(In-mold Decoration)、射出成形の金型内で転写箔を用いて、加飾と成形を同時に行う当社独自の技術です。IMDは、複雑な形状の樹脂製品に、質感や風合いなどをデザイナーの要求どおりに表現する工法として高く評価され、家電やIT機器(携帯、PC)はもとより自動車の内装などへと採用先が広がっていきます。
木目転写箔が作られ始めた頃、入社2年目だった私はイギリスに派遣され、転写関連の合弁会社の立ち上げや技術移転に携わりました。先輩3人と一緒でしたが、新人にも大役を任せる社風は、その頃も今も変わりません。

イノベーションが連鎖する企業風土

静電容量方式のタッチセンサーを
搭載したスマートフォン

次なるイノベーションは、成長が見込まれたパソコン周辺技術の開発です。最初は、摩耗性の低いキーボードのキートップ印字システムです。この転写加工技術と転写システムをセットしたシステム販売により、当社は電子部品事業に参入しました。
その後、電子部品に関する独自技術の開発に挑戦した成果として抵抗膜方式のタッチセンサーが生まれました。これは手書き入力方式の電子手帳に採用され、大好評となりました。その後、携帯電話や携帯ゲーム機に採用され、当社の主力製品へと育っていきます。
抵抗膜方式のタッチセンサーから得た知見を活かし、静電容量方式のタッチセンサーを生み出しました。海外顧客と何度も繰り返したディスカッションを通じて、ガラスではなくフィルムを使ったセンサーが求められていることを確信した私は、フォトリソグラフィ工法を活用した製品開発に成功します。このフィルムタッチセンサーは今や、スマートフォンやタブレット端末、ゲーム機から産業機器などに広く採用されています。
当社のイノベーションは、プロダクト開発だけではありません。利益の源泉は、プロセスすなわちものづくりの工程にあります。開発から生産へと部門を移った私は、コスト削減を目標に徹底したプロセス改善に取り組みました。その結果が、現在の筋肉質な組織につながっています。

常に次のイノベーションを求める

当社は、祖業の印刷で培った多様なコア技術を進化させるとともに、新たな技術や材料、開発テーマの調査・企画・獲得により、常にイノベーティブな製品を世の中に提供し続けています。
産業資材、ディバイス、情報コミュニケーションに加えて、メディカルテクノロジー(旧ライフイノベーション)事業を新たな事業領域として、グローバル市場で医療機器などの生産・販売を展開しています。
産業資材で長年の取り引きが続く自動車業界では今後、電動自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)への転換が進むでしょう。この流れを見据えて、FCVの安全を守る上で欠かせない水素センサーなどEV、FCV関連の新製品開発にも力を入れていきます。
これからもイノベーションを続けていくには、多彩な分野の才能ある人材が必要です。エレクトロニクス、機械、回路設計に加えて、ソフトウェア開発などのほかに、ヘルスケア事業を推進する医薬関係のエキスパートも欠かせません。
イノベーションとは単なる技術革新ではなく、世の中のニーズを満たす新技術であること。これこそが当社が追究し続けるイノベーションの本質です。当社の次のイノベーションを担う人材に期待します。