TCFD提言に基づく情報開示
NISSHAグループは、2022年1月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言に賛同を表明し、TCFD提言の枠組みに基づいて気候変動に関するリスクと機会が当社事業に与える財務的影響について分析し、その内容を開示しています。
分析内容のサマリーは以下の通りです。
(詳細はNISSHAサステナビリティレポート2022の該当ページをご確認ください。)
(詳細はNISSHAサステナビリティレポート2022の該当ページをご確認ください。)
ガバナンス
気候変動に関するリスクと機会は、取締役会が決議した重要事項(マテリアリティ)の一つとして、サステナビリティ委員会が管理しています。サステナビリティ委員会は代表取締役社長が委員長、取締役常務執行役員(サステナビリティ担当)が副委員長を務めており、マテリアリティに関する取り組みの進捗を年1回取締役会に報告しています。
戦略
以下の前提条件の下、将来の気候変動が当社事業にもたらす影響について、シナリオ分析を行いました。
時間軸 | 2030年 |
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対象事業 | ディバイス事業(2021年の当社の売上高の約半分を占める) |
想定シナリオ | 国際エネルギー機関(IEA)のシナリオより、以下の2シナリオを参照
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シナリオ分析の結果、いずれのシナリオにおいても、気候変動の影響による財務リスクはあるものの、大きな影響を及ぼすと思われるリスクについては対応策を講じていることが確認されました。
特に影響が大きなリスクおよびその対応策
【移行リスク】
当社のリスク | 対応策 |
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炭素税の導入・強化による生産拠点の使用エネルギーと原材料の調達コストの増大(1.5℃シナリオ) | 生産拠点での生産の効率化や生産・インフラ設備の省エネルギー化による電力消費の削減を実施し、電力会社より供給される電力の再生可能エネルギーへの段階的な切り替えを実施。 |
お客さまからのCO2削減要請に対応できなかった場合の事業機会の損失(1.5℃シナリオ) |
【物理リスク】
当社のリスク | 対応策 |
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浸水による建物・設備・在庫等、自社資産の毀損によるコスト増加(3℃シナリオ、1.5℃シナリオ共通) | 事業継続計画(BCP)の実効性の検証および改善 |
また、気候変動に関する機会について、以下の2項目で影響が大きく現れることを確認しました。
当社の機会 |
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EVの市場拡大による車載向け製品の売上高の増加(1.5℃シナリオ) |
GHG削減に寄与する製品への需要の増大によって冷媒検知用ガスセンサーモジュールの販売機会が拡大(3℃シナリオ、1.5℃シナリオ共通) |
リスク管理
当社グループは、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)を達成するために特に重要性の高い項目をマテリアリティとして特定し、2030年を起点にバックキャストして具体的な戦略項目、KPI・アクションアイテムを設定しています。気候変動に関しては、「事業機会の創出」と「リスクの低減」の視点から以下のマテリアリティを特定しています。
マテリアリティ | 関連するSDGs | |
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リスク低減 |
気候変動への対応 |
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事業機会の創出 |
移動・物流の安全性・快適性、環境負荷の低減に貢献 |
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サーキュラーエコノミーの推進 |
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指標と目標
当社は、CO2総排出量を、気候変動に関連するリスクを評価・管理をするための指標として定めています。サステナビリティビジョンでは2050年のカーボンニュートラル達成を見据えて、2030年におけるCO2排出量を30%削減(2020年比)することを目指しています。