CEOメッセージ

NISSHA株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者 鈴木 順也

株主・投資家のみなさまへ

株主・投資家のみなさまには日ごろよりご支援を賜り心から御礼申し上げます。

2022年12月期の経営成績

 2022年12月期におけるグローバル経済情勢は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による災禍から景気は回復の動きを見せましたが、インフレやそれに対する欧米諸国での金利引き上げなどにより、その動きは鈍いものとなりました。アメリカでは景気の緩やかな回復が続いた一方で、ヨーロッパではロシアによるウクライナ侵攻などにより景気が停滞し、中国ではCOVID-19に対する政策などにより景気回復が滞りました。わが国の経済については、供給制約の緩和に伴い、景気は緩やかに持ち直しました。
 このような状況の下、産業資材事業ではサステナブル資材のコスト高騰を反映した値上げを実施したことに加え加飾の製品需要は堅調に推移しました。ディバイス事業のスマートフォン向けの製品需要が前期から縮小した一方で、メディカルテクノロジー事業の開発製造受託(CDMO)などで製品需要が力強く推移した結果、2022年12月期の売上高は前期比で増収となりました。利益は、スマートフォン向けの製品需要の縮小や、インフレによるエネルギーコストや人件費などの増加が収益性を圧迫しました。加えて、産業資材事業のサステナブル資材を生産・販売する欧州子会社について、金利引き上げに伴う割引率の上昇を主因とするのれんの減損損失を計上し、前期比で減益となりました。
 これらの結果、連結業績は、売上高は1,939億63百万円(前期比2.5%増)、利益面では営業利益は95億20百万円(前期比45.2%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は101億40百万円(前期比36.1%減)となりました。

2023年12月期の見通し

 当社グループは、2021年1月から第7次中期経営計画(3カ年)を運用しています。これまでに獲得・構築したグローバルベースの事業基盤を最大限に活用し、シナジーの最大化による成長基盤の確立を目指しています。当社が重点市場と定める医療機器、モビリティ、サステナブル資材などにおいては、社会課題の解決に資する製品群・サービスの拡充による成長を目指しています。IT機器市場においては製品需要の減少局面に対応し、収益性・効率性を追求しています。
 2023年12月期のグローバル経済情勢については、インフレや政策金利、為替の動向など、景気の先行きは不透明なものとなっています。供給制約のさらなる緩和や企業の積極的な設備投資などにより、緩やかな景気持ち直しの動きが続くことが期待されている一方で、需要の後退など景気回復のペース減速が懸念されています。
 このような状況の下、当社を取り巻く需要環境としては、産業資材事業ではモビリティ向けの加飾製品やサステナブル資材である蒸着紙の製品需要は堅調に推移する見通しです。ディバイス事業では、モビリティ向けやガスセンサーなどの製品需要が拡大するものの、スマートフォンやタブレット向けの製品需要が景気の減速を織り込んで減少する見込みです。メディカルテクノロジー事業では開発製造受託(CDMO)で、活発な市場動向を背景に製品需要が増加する見通しです。一方、利益改善の努力としては、インフレによるエネルギーコストや原材料費、人件費の上昇に対して製品値上げを実行するとともに、工場の自動化やDXの推進などによる生産性・効率性の向上を目指します。これらの見通しから、売上高1,920億円、営業利益90億円、税引前利益85億円、親会社の所有者に帰属する当期利益62億円を見込んでいます。為替レートは1ドル=130円を前提としています。
  2022年12月期
実績
2023年12月期
予想

売上高

(百万円)

193,963 192,000

営業利益

(百万円)

9,520 9,000

税引前利益

(百万円)

12,373 8,500

親会社株主の所有者に帰属する当期利益

(百万円)

10,140 6,200

最後に

 当社のMissionは「人材能力とコア技術の多様性」を成長の原動力に、高い競争力を有した特徴ある製品・サービスの創出により、お客さま価値を実現し、「人々の豊かな生活」の実現に寄与することを掲げています。このMissionのもと、当社グループの中長期の成長と企業価値の向上を目指してまいります。
 株主・投資家のみなさまには、格段のご支援・ご鞭撻をたまわりますよう、よろしくお願い申しあげます。
 
2023年2月14日
代表取締役社長 兼 最高経営責任者

代表取締役社長 兼 最高経営責任者
鈴木順也のご紹介

・出身: 1964年 京都市生まれ
・略歴: 1990年4月 株式会社第一勧業銀行(現株式会社みずほフィナンシャルグループ)に入行
1998年3月 日本写真印刷株式会社(現NISSHA株式会社)に入社
取締役、常務取締役、専務取締役、取締役副社長を経る
2007年6月 代表取締役社長に就任(現職)
・座右の銘: 「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」

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