効率性・生産性の向上

NISSHAグループは、マテリアリティとして「効率性・生産性の向上」を掲げています。デジタル技術は自社の効率性・生産性向上に加え、お客さまに提供する付加価値の向上や社会課題の解決につながるものと考え、DXの推進に取り組んでいます。

また、変化する事業環境に適応するための人材育成や、IoTやAIなどのIT技術を開発や品質管理、生産、営業などの活動に活用、定型業務を中心とした業務の自動化・省人化・効率化を行っています。

取り組み

当社グループは、生産拠点にIoTやAIを浸透させ、ITの活用により品質や生産性の向上を図り、生産工程においては自動化を進め省人化につなげる「Smart化」プロジェクトなどの「生産のデジタル化」に加えて、「間接業務のデジタル化」として、社内業務プロセスをシステム化することで、効率化をはじめ情報の共有化、データの可視化などに取り組んでいます。
2022 年度は、「間接業務のデジタル化」で、以下のような成果が得られました。
  • 特定の事業部で、自動歩留り予測・自動見積システムを内製で構築しました。これにより、設計の質の向上とともに、社内の業務プロセスを効率化することにより、お客さまへの見積回答のスピードアップを実現しました。
  • 少量多品種の製品を取り扱う生産子会社で、AI を活用した生産計画の最適化システムを構築しました。従来は担当者が過去の経験と勘から生産計画を組み立てていましたが、経験と勘を体系化することにより、最適な生産計画がシステムから自動で割り出される仕組みを実現しました。

また、2023年度以降も「お客さま視点でOutputの質と量を向上」を目的とし、間接業務も含めた全社のシステム化を継続し生産性向上のための仕組み作りを推進しています。デジタル化により蓄積されたデータの活用を本格化させ、見える化、分析の仕組みを構築し、生産性と製品の質の向上を図ります。
  • 「間接業務のデジタル化」としては、計画系業務をシステム化することで、業績予測の算出リードタイムを短縮、最適な計画値をシミュレーションすることで実現し、売上利益の最大化を図れる仕組み作りを進めていきます。
  • データ活用としては、蓄積されたログデータより業務処理時間などを分析することで、業務プロセスの問題点を洗い出し、業務の整流化や平準化を図っていきます。

生産性向上の取り組み事例

NISSHAインダストリーズ株式会社甲賀工場は、産業資材事業の加飾フィルムの生産を担う国内の主力工場です。同工場は生産性の向上を目指し、有機溶剤へのばく露時間管理のシステム化を図りました。これは、NISSHAが掲げるマテリアリティ「効率性・生産性の向上」に紐づく工場独自の取り組みとして展開されたものです。
課題 加飾フィルムの生産には、有機溶剤を使用します。作業者の安全・健康を守るため、作業時間は法令で定められており、当社グループにおいても労働時間管理を徹底しています。
従来の管理方法では「就労時間=ばく露時間※1」としていたため、該当職場を離れている時間もばく露時間とみなされ、作業可能時間が実際よりも短くなり、生産性を阻害していました。
対策 実際のばく露時間を正確に把握するため、ばく露時間をカウントする「ばく露時間管理システム」を開発しました。
これにより、一人ひとりの正確なばく露時間を管理できるようになり、工場の生産性の向上につながりました。加えて、システム上で社員の労働時間を把握するようにし、より安全で働きやすい職場の構築に役立っています。

ばく露時間管理システム

※1. ある環境下にさらされている時間の累積値

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